こんにちは、モイヘアサロンの松枝です。
ヘナって染まりにくいんですか?
はい、今日もよろしくお願いします!

ヘナの話
よく「ヘナってちゃんと染まるんですか?」と聞かれます。
答えは、はい、染まります。
ただし、いくつか条件があります。
まず、ヘナは化学染料ではなく、植物の葉を乾燥させて粉にしたもの。
いわゆる“天然100%”の素材です。
だから、髪の状態や白髪の比率、使い方によって仕上がりが変わります。
例えば
髪にシリコン系のコーティングが残っていれば、入りにくかったり
何度も縮毛矯正をしていたりすると、色が沈むこともありす。
これは、染料が髪の中にうまく入れないからです。
でも逆にいうと
そういったコーティングやダメージがない髪には
ヘナは意外なほどしっかりと色が入ります。
ツヤも出ますし、ハリやコシも戻る傾向もあるので
「なんか、髪が元気になった気がする」
という声もよく聞きます。
つまり、「染まりにくい」かどうかは
その人の髪の状態と
ヘナの関係性によって変わるんです。
とはいえ、ヘナって、染めるだけの話じゃないんですよね。

ヘナの施術って、少し時間がかかります。
ペーストを塗布してからしばらく放置する間、
お客様にはのんびりしてもらう時間があります。
この待ち時間、じつはけっこう特別なんです。
スマホを見るのをやめて、目を閉じる人もいますし
本を持ってきて、ゆっくり読む人もいます。
何もしないで、ぼーっと時間を眺める人もいます。

その間、会話も自然と少なくなっていって、
ちょっとした静けさが、ふっと流れてきたりします。
山登りをしていると
最初は「疲れるなあ」と思いながら登っていても
ある地点を超えると
目の前の景色に心がじんわりと動かされたりします。
風の音、葉の揺れ、普段は気づかない鳥の鳴き声に耳を澄ましたり。
あれと似た感じのことが
心理的に、起こっているのかも
日常で、ゆっくり何もしない時間ってあんまりないですからねぇ
不思議と、自分の「内側」に目が向く時間になる。
もちろん、美容室なので外見を整える場所です。
でもそれだけじゃなくて、内側をふと見つめるようなきっかけにもなるのかなと。
マッサージを受けているときや、温泉に入っているときにも似ているかもしれません。
体をケアしているはずなのに、徐々に身体の隅々に意識が向いていく。
そんな時間が、ヘナにはあるんです。
とはいえ、べつに「整えるぞ」と気合いを入れて来てほしいわけではないですし
スピリチュアルなものを全面に出すつもりもありません。笑
あくまで、きっかけ程度。
「なんか、今日は気持ちよかったな」
「帰ったらちょっと丁寧にごはん作ろうかな」
みたいな、小さな変化があると
いいのかなと思っています。

美容室って、これまでは外側を整える場所としての役割が強かったと思います。
でも、インターネットやAIが進化して
カットの技術もカラーの情報も、どんどん共有されるようになってきました。
どの業界でもそうですか、
人が関わる意味って、どこに残るんだろなぁと。
何も話さなくてもいい時間
その沈黙が気まずくないこと
まずは、美容師として
気付いた事から
意識していってもいいのかなぁと。

というわけで、ヘナの話からちょっと話が広がってしまいましたが
美容室という空間には、まだまだ可能性があると感じています。
外を整えつつ
内側にもちょっとだけ意識が向くような時間。
参考になれば幸いです。