こんにちは、モイヘアサロンの松枝です。
最近、お客様とのやりとりでも
「白髪ぼかしって流行ってますよね~」という言葉をよく耳にしますが
ふと思うのが
実際、街でそんなに見かけなくない?
コンビニに行っても、電車に乗っても、道を歩いてても、白髪ぼかしっぽい人
たしかに居るけど、多数派ではない
それなのに、
SNSや美容系メディアでは、
「最新白髪ぼかし」「脱白髪染めムーブメント」みたいなワードが沢山。
このギャップは、いったい何なんでしょう?

ここからは、マジで僕の個人的
仮説でしかないのですが
SNSの中で「流行」してる現象
認知の偏りなんやないかなぁと。
SNSや美容室のビフォーアフター投稿って
目を引くように作られています。
見てて面白いですよね!
白髪ぼかしって、仕上がり写真が映えます。
立体感、透明感、白髪が溶け込む柔らかい色味。
しかも、発信する側(美容師)にとっては
「新しい提案」になるので
アテンションも集まりやすく、投稿する回数も自然と増える。
SNS上では白髪ぼかしの世界が、実際より何倍にも濃く映し出されてる。
「流行ってるように見える」って、こういう構造の上に成り立ってるのかもしれないという事も、
視野に入れて考えないとなぁと思うわけです。
これに対して、個人的には、否定も肯定もなくて
そういう現象なんだなぁと。

それでも「多数派」にならない理由はなんなのか?
なぜ、ここまで世間の認知をハックしてるにも関わらず
白髪ぼかしが街の多数派にならないのか?
それは、文化的背景と、美意識の違いが大きいのかもしれません。
白髪ぼかしって、そもそも欧米由来の発想
ベースはハイライト技術で
コントラストをつけながら立体的に、または視覚的にぼかすというもの。
ロンドンに行って感じた事は
金髪文化・ブロンド文化がある西洋では、
白髪がなじみやすく
むしろ「自然体でかっこいい」という価値観も根付いている。
日本はどうかというと
やっぱり黒髪の美しさがベースにあるんですよね
後ブリーチに耐えられない髪質でもある
(耐えられる人も稀にいるにはいるけど)
歳を重ねても、艶やかな黒髪に戻ると
「きれいに見える」という感覚が
無意識レベルで根づいている。
それはもう、遺伝子レベルの美意識と
言えるかもしれませんね。

全体としては「白髪を隠す」から「白髪とどう付き合うか?」
という価値観の変化は確かに起きています。
・隠すことだけが正解じゃない
・老いをネガティブに見ない
・今の自分を肯定したい
そんな気持ちが
白髪ぼかしというスタイルを後押ししている部分もあると思います。
でもそれが
2025年の白髪世代の思考や無意識レベルの意識にフィットする正解か?というと
そうではないのかもしれません
僕自身の意見としては
白髪ぼかしが「映える」スタイルであり
変化を楽しむ良いきっかけになるのは間違いありません。
でも、それを「流行だから」と無理に勧めたり
「やらないのは遅れてる」みたいに思う必要はないと思います。
白髪に対する姿勢は、比較するものでなく
個人的なものでいい。
染めてもいいし、ぼかしてもいいし、自然に任せてもいい。
白髪との付き合い方も、ひとりひとりの日常に合わせていいんだと思っています。
ここまで読むと、なんだか白髪ぼかしを否定しているように思われたかもしれませんが
まったくそんなつもりはありません。笑
むしろ、「そういう選択肢がある」ということが広がっているのは
とても素敵なことだと思っています。
大切なのは、自分がそれをやりたいかどうか。
「流行ってるから」ではなく
「自分に合ってるかどうか」で考えてみるのがいいと思います。

白髪ぼかしは、映えるけど全員の現実じゃない
だからこそ、街を歩いていて「意外と見かけないな」と思ったときの
その違和感も大切にしてほしいんです。
それは、あなたの感性がちゃんと
現実と自分を感じ取っている証拠。
白髪ぼかしが、流行ってるように見える理由は、
僕の仮説からすると
実際の人数よりもSNSでの発信力が強いから。
でも、流行の影にある
静かな選択肢こそ自分らしさで
それを不安に感じる必要はないのかなと。
日本人にとっては黒髪への美意識が根強く
なかなか多数派にはなりにくい。
それでもやってみたい人がいたら
それはすごく素敵なことだと思います。
大事なのは、髪型の「正解」を探すことじゃなくて
「自分の今に合う」選択を見つけることなんじゃないかなと
参考になれば幸いです。