こんにちは、モイヘアサロンの松枝です。
「ヘナって、正直コスパ悪くないですか?」
これ、たまに聞かれます。
お客さんにも美容師さんにも。笑
というか、たぶん言わないだけで、けっこうみんな思ってますよね。
たしかに
時間はかかるし、料金も安くはない
そのうえ、派手な変化が起きるわけでもない
美容師さんからすると、1席の回転数が悪い。
となると、「コスパ悪いな〜」と思っても仕方ない気もします。
でも、この「コスパ」っていう言葉。
いつからでしょうか?
よく考えると、私たちの生活の中で、
ちょっとずつ領土を広げてきてないですか?
「コスパのいいランチ」
「コスパのいい服」
コスパのいい友人関係とは、さすがに言わないかもしれませんが、笑
利害関係の有る無しとかですかね?
これも、ちょっと近い感覚ってあると思うんです。
昔は、ちょっとくらい面倒でも
「楽しいからやる」とか「好きだから行く」とか
もっと感覚的な選び方をしていたのに
気づけば「元が取れるか?」
みたいな基準で物事を選ぶようになっていたりします。
これ、実は年齢とともに強くなる傾向らしいです。
今はなんでも比較できる時代
情報が多すぎて、「あっちの方が得だったかも」と思いがち
「どうせやるなら、一番効率いいやつがいい」となり、
「感覚」より「効率」で選ぶようになる。

若い頃に比べて
経験も増えてますし
体力も限られてくる
時間の重みが増してくる
失敗が“痛手”になる気がしてくる
からと言われています。
簡単に言うと、
「ムダに疲れたくない」「遠回りしたくない」
という気持ちが大きくなるそう。
その結果、「一番効率のいいやつちょうだい」って
なるわけです。
若い時期は、失敗しても回収できる
でも年を重ねると「この失敗は取り返せないかも」という不安が出てくる。
すると「ムダなこと=損」と感じて、
経験より結果を求めるようになる。

“全部コスパで考える癖”がつくと、人って老けるんだそうです。
体が老けるというよりも、感覚とか、柔らかさとか、そういう部分。
若い頃は、ムダだらけでも平気だ
友達と夜通し語った時間
迷子になった旅行
意味もなく買った服やアクセサリー
どれも効率ゼロ、コスパ最悪
でも、楽しかった、忘れられない
むしろ「ムダな時間があったからこそ、自分になれた」って思える
なるほどなぁ〜と。

“コスパの悪いことを楽しめるかどうか”って、けっこう重要な分かれ道な気がします。
もちろん、コスパを意識するのが悪いわけじゃないです。
無駄なお金や時間は、誰だって避けたい。
でも、「感覚的に惹かれること」を手放しすぎると、心が乾いて、満たされない気がします。
ヘナって、そういう意味では
“めちゃくちゃコスパが悪い”存在です。笑
でも、そのコスパの悪さの中に
自然の匂いに包まれる時間
頭を預けてゆだねる時間
髪だけじゃなく、心も整う感覚
みたいな、「数字で測れない価値」が詰まっていると言う方もいらっしゃいます。

とはいえ、「全部ヘナにしましょう」とか
「効率を全部手放しましょう」と言いたいわけではありません。
そんなことを言い出したら
現実が回らなくなってしまいます。
だからこそ、せめて生活のどこかに
少しだけ“コスパの悪い時間”を残しておく。
その余白が、感覚の老化をゆるやかにしてくれるんじゃないかと思うんです。
もし最近、「なんか疲れやすいな」とか「感情が動かなくなってきたな」と感じたら
あえて“ちょっと非効率なこと”をしてみるのもいいかもなぁと。
それは湯シャンでもいいし
予定を決めない散歩でもいいし
無意味に感じる映画を一本観るのもアリ
ぼーっと何もしない1日でもいい
急須でお茶をいれる
絵を描く
目的がなくてもいい
効果が出なくてもいい
なんとなく心が動いたからやってみた
そんな理由で動ける自分を
ちょっとだけ大切にしてみると
いつもと違う感覚に気づけます。
ちょっと面倒な人付き合い
成果が見えない趣味
非効率な旅、学び、遊び
若さと柔らかさを取り戻す
入り口なのかもしれませんね!?
参考になれば幸いです。