エジプト香りの勉強 2日目

2日目の朝

朝のギザは静かで

まだ薄い光の中にピラミッド

砂漠の地平線に突如として現れる

想像を絶する巨大な三角形

クフ王、カフラー王、メンカウラー王の三基のピラミッドとスフィンクスが

数千年の時を超えて目の前にそびえ立ってます。

朝1でチケットを買い

まず向かったのは、クフ王のピラミッド。

初日は外観だけだったので、2日目はしっかりと内部にも入りました。

石の通路は急で、天井が低く
前の人もすれ違う人もぎゅうぎゅう!

中心にある「王の間」

死後の世界や永遠性への強い信仰心の表れ

空っぽの石棺が残る部屋は

地上のエネルギーと宇宙のエネルギーが交差する

特別なパワースポットと言われてたり言われてなかったり。笑

「巨大な建造物の内側にいる」という感覚は、なんか不思議ではありました。

人が密集してるうえに、急な階段を登ってきたので、

中はとんでもなく暑く即座に退散!笑

その後、スフィンクス、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドへ。

三基のピラミッド、スフィンクスは

写真では伝わりずらい、存在感と静けさがあり

圧倒されて逆に目を引きます。

数千年変わらぬたたずまいは

まさに「不動の美」

その姿から、時代や流行に左右されず

人々を魅了する普遍的な美しさのヒントを

受け取った気がします。

ピラミッドエリアを出ると

とんでもない大行列!笑

朝1に行ってよかったぁと思いつつ

大エジプト博物館へ移動します。


ピラミッドをあとにして向かったのは
2025年に新設された話題の大エジプト博物館

ここでは、古代エジプト人の「美」へのこだわりを知り

特に興味を引かれたのは、美のツールと美容の習慣に関する展示です。

中に入るとまず、広い!

古代の美を現代照明で際立たせるミックス感


ここで特に心が動いたのが、古代のカツラ。

身分の象徴、さらには儀式のために

カツラ文化が発達していたそう

展示されているカツラは

人毛と植物繊維を組み合わせ

複雑に編み込まれたデザインのもの

美容師として20年やってきた身としては

髪の毛に対する強い美意識は古代からあり

デザインで心を整えるという発想が

何千年も前からすでに形になっていたと思うと

感慨深いものがありました。

そして、化粧道具の展示

香油、アイシャドウ、
石のパレットなどが並んでいます。

アイシャドウは

ただの装飾ではなくお守りの意味も持っていたそう。

香油も同じで、香りは祈りと医療の間のような存在であり

美しさは外側だけで成り立つものではないと

古代エジプトの感覚から受け取りました。

神に捧げるための香り
身体を清めるための香り
心の調律のための香り
死後の世界へ導くための香り

香りが生活と精神の両方を支えていた。

そんな古代の背景があるから

香油には独特の奥行きが感じられるんだと思います。

香油瓶や、化粧道具、ショップで見た現代のものとは形が違い

より素朴で、バランスの良い美しさがあり

シンプルなのに、存在感があります。

その他

大エジプト博物館の王道の見どころとしては

ツタンカーメンのゴールドマスク

個人的に好きだったのは

パピルスのカレンダー

「吉凶(良い日/悪い日)」を記した予言的カレンダー

暦を通じて、宇宙秩序を読み取ろうとする視点があったそうで

美容も占いも、

今とそう変わらない事を

昔の人もやってたり思ってたりというのは

面白いなぁって。


大エジプト博物館を後にし

続いて、考古学博物館へ移動

古代エジプトの死生観と精神性を象徴するミイラと対面しました。

ミイラ作りのプロセスは

古代エジプト人が考える永遠の命

つまり魂が肉体に戻るための「乗り物」を守るという

究極の精神的な美容法だったと言えます。

撮影禁止のため写真はありませんが

展示されていたミイラの中には

なんと髪の毛がそのまま残っているものもあり

その保存状態の良さに驚きました。

中にはドレッドの陽気なミイラもいました。笑

ミイラ作りの過程では

ヘナを用いて体や髪を染め

フランキンセンスやミルラといった

香りの樹脂を使って遺体を清めてたそう。

これらの香料は

神々への捧げものとしても使われる神聖な香料だと言われています。

古代の人々にとって、死は終わりではなく

来世への旅立ちであり

そのために肉体を整えることは

何よりも重要だったと考えられていたそうす。

ミイラに使われたヘナは

現代の美容にも通じる自然の染料であり

フランキンセンスやミルラは

心身を浄化し、神聖な感覚をもたらすアロマとして

現代でも重宝されているという。

改めて、ヘナやフランキンセンスに対して想いが深まりました。

その他、目を引いたのは古代ファッション

香油瓶もあった

預言者の言葉

古代エジプトがいかに「美」を

精神性、健康、そして信仰と結びつけていたかを見ることができ

美容という仕事に携わる自分にとって

大切なヒントがたくさん散りばめられた一日でした。


夜は、砂漠のオアシス

シワオアシスへの夜行バス

10時間かけての移動

古代のエネルギーを体いっぱいに感じ

ヒーリングへと向かいます。